6/7 に開催した、スペシャルタレント気質のための勉強会 (1) の報告です。
ご参加頂いた皆様、お忙しい中ご来場頂きまして、誠に有難うございました。
ゲストの森先生のお話やディスカッション、そしてご来場の方々からのご質問などを元にし、5つのポイントにまとめました。
① 発達障がいじゃなくて、スペシャルタレント気質なの?
スペシャルタレント気質とは、自らの能力にアンバランスさが見られることが特徴です。五感力に富み、優れた感性やセンスを持つ一方で、協調性や集団適応力などの人間関係づくりに欠かせない能力に弱さがあります。
→ 発達障がいと呼ばれ、否定的な見解を持たれることもありますが、日本国内や世界で活躍する起業家や研究者の中にはこの気質を持つ人も多く、実はこれから世界で必要とされる人材として重要な特性 (遺伝子) ではないか、とも考えられています。本当にこの気質を ”障がい” としていいのか、実は多くの人が疑問を持っています。(⑤でくわしく↓ )
② スペシャルタレント気質の ”こだわり” の方向性には気をつけて
スペシャルタレント気質の人はまた、強い ”こだわり” を持つため、この ”こだわり” の方向性に気をつける必要があります。”こだわり” が自らの持つ優れた能力や感性などのプラスの面に向けば、まさにダイヤモンドの原石が磨かれるがごとく、素晴らしい才能を発揮できることでしょう。しかし、人間関係などの苦手な面に向いてしまうと、学校や社会で苦戦を強いられることになってしまう可能性があります。早い段階で自分自身の「取扱説明書」を作成し、得手不得手を理解することがとても重要です。
→ この ”こだわり” が極端で、好ましくないところで強く出てしまうと、大きなトラブルや事故にもつながりかねません。こうしたスペシャルタレントの特性を当事者が早い段階で理解し、さらに周囲の理解や支援が必要です。一番問題なのは、彼らが事件や事故の加害者になってしまった場合、発達障がいという否定的な見解ですべてを語られてしまうことです。この特性に対する誤解や偏見を生む可能性があります。スペシャルタレント気質の個性や特徴を社会全体で受け入れる体制をつくっていかなくてはいけません。こうした個性をプラスとして考えることで、悩める子どもや若者を救い、彼らの ”こだわり” を正しい方向に導くことが重要であると考えます。
③ もっと自由で選択肢のある教育が必要
今日の日本における教育問題は、何もスペシャルタレント気質の子どもたちだけに言えることではありません。いまだ多くの学校がそうであるように、過度に協調性を重視し、子どもたちを列からはみ出さないように矯正することが ”教育” と考えられています。こうした状況下では、ユニークで他にはない感性や視点を持っているスペシャルタレントの子どもは目立ってしまうことがほとんどです。ときに ”はみ出しもの” として排除されてしまうこともあるでしょう。これでは彼らのせっかくの才能が無駄になってしまいかねません。子どもの個性を認めることは自己肯定感を高め、やる気や意欲を引き出します。良いところや得意なことを見つけ、伸ばしてあげることこそが本来の ”教育” というものでしょう。子どもの可能性を広げるためには、安心して自由に学ぶことのできる環境が重要であり、これからは ”いろいろな形の教育” を選択できることが必要でしょう。
→ これからは、もっと褒めて伸ばすポジティブな教育が必要です。得意を伸ばして苦手を克服する、クロスエデュケーションという考えがとても大事なのです。また、学校に過度にこだわらないことも必要です。通信制やフリースクールなど、さまざまな選択肢があります。安心できる環境であること、理解してくれる人 (先生) がいること、学ぶための刺激があること、子どもの「学び」のために一番重要なことを忘れてはいけません。
④ 留学のススメ
スペシャルタレント気質の人には、留学がとてもオススメです。もともと優れた語学センスを持つ人も多いので、留学する上ではこうした特性が有利に働くことでしょう。また、海外 (特にアメリカ) では個性が重視され、ときにきちんと自己主張することも必要です。また、日本で多く見られる、”空気を読む” ”暗黙の了解” といったあやふやなルールも少なく、物事がはっきりしていることが多いため、スペシャルタレント気質の人にはとても生活しやすい環境と言えます。何よりも、「自分を受け入れてくれる場所がある」ということを知ることはとても大事です。自身をもっと理解し、世界がますます広がっていくことでしょう。
→ 悩みを抱えるスペシャルタレントの人には、留学という挑戦は果てしなく大きなものに感じるかもしれません。しかしだからこそ達成感は大きく、かけがえのない経験と自信を与えてくれることになるでしょう。私Miaも留学したことで、大きく世界が変わりました。私もスペシャルタレント当事者ですが、アメリカではこの気質がとても役立ったと実感しています。個性が認められること、主張しやすいこと、そしてよく褒められること、これは今の日本ではなかなか得られない環境です。
⑤ 発達障がいと呼ばないで
私たちはこれからも、 ”発達障がい” という言葉ではなく、”スペシャルタレント” という名称を広げていきたいと思っています。①でお話したように、この気質は決して欠陥ではありません。「これは ”スペシャルタレント (特別な才能)” なんだ」と考えることで、当事者やその家族が受け入れやすくなり、前向きに考えることができます。何よりも、スペシャルタレント気質の人は、今後世界で必要とされる人材であることは間違いありません。その理由として、スペシャルタレント気質と思われる人の中には、発明家や政治家、起業家、研究者など、時代を変えるような大きな影響力を持った人も多くいます。さらにいえば、こうしたスペシャルタレント気質は昔から淘汰されずに生き残り、むしろ現代では増えているということに注目すべきです。つまりこの特性は、これからの時代に必要な特性である可能性が高いのです。多くの当事者が自信をもって、「私はスペシャルタレント気質です」と誇れるようになってほしいと思います。
→ ”発達障がい” という言葉はビジネスとしても利用されています。これは「ダメなところ、間違っているところを直しましょう」という非常にネガティブで危険な考えです。先ほど述べたように、”人と違う=ダメ” ”普通が一番” という協調性を重視する日本の古い教育思想を利用しているだけです。せっかく他にはないユニークな才能も、この思想のもとでは宝の持ち腐れです。もはや世界では「ちょっと変わっているくらいがいい」という多様性を重視する考えが主流ですから、まさに時代に逆行しているといえます。こうした考えに惑わされず、自分自身の取扱説明書をつくりあげ、得意を伸ばすポジティブな教育を選びましょう。こうした考えの変化が広まることで、多くの悩める子どもや若者が救われることを願ってやみません。
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